台車用車輪性能の決定要素について
台車用車輪性能はいかなる荷重に耐えられるか。
それは、その耐荷重と、車輪の回転を妨げる力、すなわち走行抵抗によって決定されます。その他にも多少の特性があると思われますが、上記の2大要素が大きな比重を占めます。
その性能を測定するために、キャスターメーカーでは耐荷重性能試験と走行性能試験を実施します。
耐荷重性能試験は、垂直方向に静荷重を負荷して測定を行います。最大許容荷重を負荷した時の傾向を見て、更に破壊荷重までを測定します。
走行性能試験は、最大許容荷重を負荷し、一定の距離・速度で鋼鉄製のドラム上を走行させます。タイヤ部の亀裂・剥離がないか、円滑な回転、異常音が発生しないかをみます。
JISハンドブック JIS B 8922 「産業用車輪」からの参考資料
キャスターメーカー(シシク)の製品性能試験と同じですが、ご参考にして下さい。
耐荷重性能試験について
同一の試験用キャスターを用いて、水平力試験、垂直力試験の順で試験を行います。
JISハンドブックに記載されているサイズ別の最大荷重の表を参考に荷重を負荷します。
水平力試験では表に記載されている最大荷重の0.3倍の力を約3分間かけます。
水平力試験では、表に記載されている最大荷重の3倍の力を約3分間かけます。
そして上記の最大荷重を負荷した時の傾向を見て、さらに破壊荷重までを測定します。
走行性能試験の条件(JISハンドブックより)
車軸に最大荷重を負荷し、突起のある鋼板ドラム上を3km/hの円周速度で10km回転させた時の車輪各部の性能をみます。ただし、回転ドラムに取り付ける突起は、ドラム円周上約1mに1個とし、下記の表に基づき設定します。
走行性能試験の方法について
実際に試験機にかける方法を下図を参考にしながら説明します。
- ハンガーに取り付けられた冶具に試験用車輪をセットします。
- 支点よりフックまでの距離L1に対し、支点より試験用車輪中心部までの距離L2は、L1/3となる様にします。
- てこ比にてウエイトを算出し、規定の最大荷重となる様ウエイトを取り付けます。
- 試験用車輪を鋼板製ドラム上に下降させ荷重を負荷した状態で、ハンガーの水平をみます。
- 試験用車輪サイズによって、上記の表より選定した突起ドラム上にセットし、ドラム円周速度3km/h以上を確認のうえ、連続運転に入ります。
- ゴム以外の材料を用いた一体車輪は、ドラム円周上の突起を取り除いて試験を行うものとします。