車輪のゴムについて
販売責任者
車輪の材質特性を生かして台車に取り付けましょう。違いがわかります。
石油化学の発展による合成ゴムの開発で、従来の天然ゴムになかった諸物性が開発されました。台車に使用する側では、台車の目的にかなったものが得られる反面、物性を見誤ると、思わぬ失敗をまねくことになります。
台車用車輪の性能が良くなり、ふたりで運搬した台車が、ひとりで運搬可能になることもあります。なかでも台車に多く使用されるのはソリッドゴムタイヤとウレタンゴムタイヤです。
またタイヤ材質の発展だけでなく、車輪とタイヤとの接着技術の向上も寄与しています。
台車用車輪のゴム材質物性について
台車の車輪で使用されているゴムの主流は下記の通りです。
- 天然ゴム(NR)・・・価格も安く、特殊な環境の作業場以外で広く利用されています。油関係には不適です。
- ブタジェンゴム(BR)・・・天然ゴムに比べ、反発弾性もすぐれ、回転性能、耐磨耗にすぐれています。油関係には不適です。
- ウレタンゴム(UR)・・・NR、BR、他の材質に比較して、特に耐油性に優れ、また耐荷重、回転性能、耐磨耗、耐衝撃性にすぐれていますが、価格は高いです。70℃以上は不適で、アルコール類、有機溶剤、酸、アルカリに対して使用上さける方が良いです。
- クロロブレンゴム(CR)・・・耐熱性、アルコール類に対して優れた性能をもちます。
- ニトリルブタジェンゴム(NBR)・・・油、脂肪族、炭化水素に対して優れた性能を持ちます。
以上の他にも、シリコンゴム(SR)、フッ素ゴム(FR)、チョコール(CHR)、エチレンプロピレン(EPR)など一部特注品として生産されています。
製造責任者
具体的には各キャスターメーカーから車輪材質の資料があります。下記のリンクからご覧下さい。
特殊な環境で使用できる車輪を紹介します
ゴム、ウレタンゴム車輪は一般に使用されていますが、中には使用できない作業環境があります。その場合、適合した材質の車輪で対応できます。下記は、その車輪を付けたキャスターです。リンク先でご案内しています。
品質管理責任者
下記は、その車輪を付けたキャスターです。当社で実績のある特殊キャスターです。
抗菌ウレタン車輪とステンレス材質特性(耐腐食)を金具に生かし、食品製造工場、病院、薬品工場などの台車キャスターとして利用されます。
台車用途で、電子部品運搬、クリーンルーム内の運搬、精密測定器運搬などに静電気対策をする必要があります。そこで接地するゴム等の車輪外皮の体積抵抗値を小さくし、静電気帯電防止します。
静電気を放出する導電性能で、静電気による災害防止します。また静電気の除去により塵埃の吸着を防止、防塵効果に優れています。その効果から電子機器、医療機器などに取り付けられることが多いです。
MCナイロン車輪は耐候性があるため変形が少なく長期保管や荷物を載せたまま長期放置する屋内の台車にも使用することができます。車輪材質としては-40℃~120℃まで対応しております。
MCナイロン素材の特性を生かした車輪は、比較的、標準で対応できなかった環境で、ほとんど対応できるようになります。それで不可であれば、その環境に絞った材料の車輪を使用することになります。
連続1時間使用で-30℃~+230℃、短時間(15分)なら+260℃に対応します。車輪軸受にはテフロン加工されたステンレスブッシュを使用していますから、高温条件下でも回転は良好です。